5800X3Dは残念ながら壊れやすいのでOCはできないんだけど、低電圧化でクロックが上がるらしいと聞いたのでやってみた。
5800X3DのOCは難しい
基本的に、OCするときは電圧を上げて、クロックの倍率を上げて、と繰り返して安定動作する設定を探る。
ただ、5800X3Dは電圧を上げると3D V-Cacheが耐えられないらしく、AMDによって電圧を上げられないようにされている。まあそれでも上げる方法はあるんだけど、物理的に壊れてしまうリスクがかなり大きいとのこと。
基本的に電圧でCPUが壊れることはあんまりないんだけど、Ryzenの3D V-Cache搭載モデルに関してはマジで壊れるからスーパーリッチマンでもない限りやめておくのが無難だ。
ベースクロックは変更できるんだけど、ここをいじると動作が不安定になりやすい。比較的上級者向けなので、自信がない限りはやらないほうが良いと思ってる。
低電圧化で性能が上がる理由
低電圧化は基本的には、同じ動作クロックで消費電力や発熱を抑えるために行われる。ただ、5800X3Dに関しては、IntelのCPUのように全コアのブーストクロックが決まっているわけではない。
消費電力やCPUの温度を見て、安全な範囲の中でクロックを上げるよう制御されているのだ。つまり、消費電力やCPUの温度を抑えてあげれば、「まだ余裕がある」と判断され、クロックが上がる。これが低電圧化で性能向上を見込める理由だ。
低電圧化のやり方
低電圧化は PBO2 Tuner というソフトウェアを使って行う。
こんな感じで、コアごとの電圧をmV単位で設定することができるソフトウェアだ。電圧を上げるのは危険なのでやらないのがおススメだ。
とりあえず-15から設定し、ベンチマークを行いながら少しずつ下げていった。
ほかの人の情報を見ていると、-30くらいまでなら普通に動くことが多いらしいけど、-30だと不安定だから-20で運用している人もいるみたいなので、-15くらいから様子を見つつ下げていくのが良いだろう。
導入方法はココにアクセスして、 Debug-cli.7zp のリンクをクリックしてダウンロードするだけ。特別難しいことはない。
結果
デフォルト
デフォルトでは13982pt, CPUクロックは全コア4225MHz程度
-15mV
-15mV にすると、スコアは14127pts まで上昇した。CPUクロックは4300-4325MHz程度。
低電圧化したことで発熱が減り、そこで生まれた余裕の分クロックが上がったと考えられる。
-30mV
-30mV まで電圧を下げると14379ptsまで上昇。CPUクロックは4375-4400MHz 程度だった。
デフォルトの状態と比べるとかなりスコアが上がった。
まとめ
5800X3Dは消費電力や発熱をモニタリングし、安全な範囲でCPUクロックを上げるという制御がされているため、低電圧化で消費電力や発熱を下げるとその分クロックが上がる。
「低電圧化?消費電力が減るだけで性能は変わらんでしょ(笑)」と小ばかにしてたけど反省している。マジでやってみてよかったと思う。